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髪の塗装、どうしてる?
美少女プラモデルの塗装をするとき、意外と悩ましいのが髪、ですよね。
ねぇ?(圧)
髪の立体感や柔らかさを塗装で表現するという点では、美少女プラモデルやガレージキットの塗装特有の技術なんじゃないかなと思います。
展示会で作品を見てくれた方からも、「髪はどうやって塗っているんですか?」と聞かれたことが何度かありました。(嬉しい)
せっかくなので、備忘録も兼ねて自分なりの髪の塗装方法をまとめておきます。
自分の場合、ソリッドカラーを調色して髪色を作り、明るい色と暗い色を使い分けて陰影を付ける方法は、どうにもうまくいきませんでした。
調色が面倒くさい難しいうえ、グラデーションも思ったようにならず…ほとんどベタ塗りになってしまって何度も残念な気持ちに。
そこで現在は、髪全体を白で塗りつぶし、その上からクリアカラーを重ねて陰影を付ける方法をとっています。
クリアカラーであれば、塗り重ねる回数で濃淡を調整できるので、影になる部分や毛先のグラデーションを感覚的に作ることができます。
今回はこの方法で髪を塗装する際の手順や、使用している塗料について紹介していきます。
あ、エアブラシでの塗装を前提としてますよ。
まずは白く塗りつぶす
白だ!とにかく白くしろ!
ということでまずは髪パーツを真っ白に塗りつぶしていきます。
最終的に狙っている色の明暗にかかわらず、まず白。
実はここが一番重要で、この段階で塗りムラがあったり表面がザラついたりしてしまうと、後工程でのリカバリーが難しいです。
これ以降はクリアカラーしか使わないので、そういった"粗"を隠すことができません。
クリアカラーでは下地を隠蔽することはできないので、下地の影響をモロに受けます。スケスケだぜ!
自分はグレーサフ→隠蔽力の高いホワイトの順で塗りつぶす事が多いです。
白くするなら白サフがいいんじゃない?と思われるかもしれませんが、特に元の色が濃い(暗い)色の場合、白サフだけで隠蔽しきるには結構な回数塗り重ねる必要があり、かえって手間がかかる場合が多かったです。
また、重ねる回数が増えるとモールドが埋まってダルい印象になってしまうリスクが高まります。
そんなこんなで、下地を隠蔽しやすく重ねる色への影響が少ないグレーのサフを用いています。
傷の確認もしやすいですしね。
そしてホワイトで塗りつぶします。自分はガイアのEXホワイトをよく使います。
ホワイトのコツは、一気に吹き付けず最低2回は重ねること。
最初はうっすら乗せる程度に吹いて(ただし砂吹きにならないように)、次に塗りつぶすイメージ。
この最初の薄い一層を「足付け」と表現しているのを何かで見たことがあります。
サフを吹いてるのでそこまで神経質にならなくても良いかもしれませんが、ホワイトの塗装はそれくらい慎重になっていいと思います。ムキになって重ねると垂れちゃったりしますからね…。
ここでビシッとしたホワイトの下地を作れると後工程がスムーズです。
クリアカラーを準備
ここで主役となるクリアカラーの登場です。
自分はクレオスのMr.クリアカラーGXをよく使います。入手しやすく、種類も豊富。
特にGXクリアブラウン・GXクリアブラックは汎用性が高いので常にストックしています。
もう一つ持っておいたほうがいいのが、クリアホワイト。
メインカラーにクリアホワイトを添加することで、重ねたときの変化が緩やかになり、淡い発色を調整しやすくなると感じています。
特に明るく淡い髪色にしたい場合はオススメで、いつもメインカラーに同量程度添加してます。(だいたい1:1)
暗い髪色の場合は添加せずそのまま使うか、光沢クリアで割ると良さげ。
ちょうどいいクリアカラーがない場合は、ソリッドカラーをクリアで割って好みの色を錬成しましょう。
塗料の希釈は、塗料:溶剤=1:1〜1:1.1くらいを基本にしてます。
影になるところから吹く
調色ができたら、まずは影になるところから吹いていきます。
今回は紫系の髪色にするので、EXクリアバイオレットとクリアホワイトを混ぜた色で塗装していきます。
最初は前髪パーツの裏など、あまり目立たない部分で色味を確かめます。
色味がよさそうなら、凹モールド、エアインテークの中、毛が重なっている箇所、ポニテの結び目付近など、影になりそうな箇所を狙って吹いていきます。
ただし、ここでは最終的に狙っている色の2〜3歩手前くらいの濃さで止めておきます。
あせらない、あせらない。
多少はみ出たりズレたりしてもあまり気にせず、ざっくりいきましょう。
でぇじょうぶだ、あとでなんとかなる。
あとはグラデーションで濃くする部分に吹いていきます。
自分は毛先や分け目、縁になる部分を濃くすることが多いです。
生え際から毛先まで濃→淡→濃と変化させるイメージですが、ここは好みや狙いによって調整しましょう。
この場合は毛先の方向から水平に吹き付けるようにすると自然とグラデがかってくれます。
全体に吹く&調整
影になる部分を塗ったら、全体になるべく均一に吹き付けていきます。
濃淡の境界をぼかしていくイメージで、淡い部分の色を目指して重ねます。
そして濃→全体→濃→全体→…を何度か繰り返し、目標の色の1歩手前で止めます。
吹いた直後と乾燥後では色の見え方が変わることがあるため、いったん手を止めて乾燥させます。
その後全体を微調整したり、少しメリハリをつけたい場合は最初に塗った箇所を中心に色を重ねて調整します。
ここに別の色を重ねたりすると面白い変化を加えることができます。
全体的に赤みを加えたり、毛先にかけての変化を強めたり…
今回は少し青みを足したかったので、元のカラーにGXディープクリアブルーを足して重ねました。
トップコート
トップコートの前に光沢クリアを一層吹いておくと安心です。
クリアカラーの塗膜を保護し、表面の状態を整えてから最終的なつやを調整するためです。
必須ではありませんが、保護層を作っておくと何かと安心です。
また、ここでUVカット効果のあるクリアを使うと、紫外線による劣化もある程度防げる…と信じています。
おまじないとしてやっておくと良いかも。
トップコートはお好みになりますが、半光沢〜つや消しで仕上げるのが良いと思います。
自分はクレオスのスーパースムースクリアーがお気に入りで、常用しています。
なんかこう、ほどよくしっとり感のあるつや消しになる気がするんですよね。
あとは組み立てて完成です。お疲れ様でした。
注意点
この方法の欠点としては、前半でも書いた通り途中のリカバリーが難しいこと。
クリアカラーを重ねる工程での後戻りはできないので、やるなら全リセットになっちゃいます。
特に下地の影響をモロに受けるので、下地の段階で修正点は潰しておきましょう。
「濃すぎた!」を戻すことも難しいので、常に「1歩手前」を意識すると良きです。
またそれなりの回数塗装を重ねることになるので、塗面が厚くなりがちです。
特にダボ軸・ダボ穴にかかる場合はパーツがハマらなくなってしまう可能性があるので、マスキングするなどして対策しましょう。
結構あるあるなのが、ポニーテール用の接続穴とジョイントの軸です。
これの接続がキツくなってしまうと、パーツが回転しにくくなって、力任せに動かすと最悪ねじ切れてしまう場合もあります。
マスキングが難しい場合は、軸や穴に塗膜をヤスリで削るか、最初から削ってゆるくしておくか…。
手元が狂ってせっかくの塗面を傷つけてしまうのが怖いので、なるべくは塗装前に調整しておくと良いと思います。
まとめ
最初はこんなもんかな?的なフィーリングでいいと思います。
実際の髪は光の当たり方や見る角度で違った表情を見せてくれます。
クリアカラーで濃淡をつけることで、それを疑似的に再現・強調してあげるようなイメージです。
また、この手法は髪の塗装以外にも応用できまして、動物の毛や皮の部分や布っぽい表現にも使えます。
自分の過去作では、エレーナの馬体や布地なんかもこの手法で塗装しました。
同様の手順で、肌色下地にクリアカラーを重ねることで所謂「透け塗装」な表現をすることもできます。
やり方ははだいたい同じです。
クリアカラーを使うと、ソリッドカラーだけでは難しい塗装が可能になり、表現の幅がグッと広がります。
グラデーションに挑戦しようと思っている方、または難しいと感じている方は、一度クリアカラーを使ってみてはいかがでしょうか。
ソリッドカラーだけでは難しい表現が意外と簡単にできちゃうので、楽しいですよ。
さぁ、みんなでLet's透け…髪塗装!
ではまた。
今回使った塗料たち